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レインマン

R A I N   M A N
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公開:1988年(日本は1989年) / アメリカ / 監督:バリー・レヴィンソン
テーマ:「人の価値」ってなんだろう? ── 兄弟のロードムービー

お金のことしか考えていなかった弟おとうとチャーリーが、はなれて暮くらしていた兄あにレイモンドと、車で旅たびをする物語です。レイモンドは自閉症じへいしょうという特性とくせいがあり、はじめはうまく気持きもちが通つうじません。この記事では、あらすじから時代背景じだいはいけい、モデルになった人や裏話うらばなしまで、やさしく紹介しょうかいします。

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授業で使えるPDF資料(2種類)
先生向けの授業ガイドと、児童向けの学習資料。目的に合わせてお使いください。
1『レインマン』ってどんな映画?

公開:1988年(日本は1989年) 国:アメリカ 上映時間:約2時間13分 監督:バリー・レヴィンソン

📖 あらすじ

車を売うる仕事しごとをしている若わかい男おとこチャーリー。ある日、はなれて暮らしていた父ちちが亡なくなり、大おおきな遺産いさん(のこされたお金)が、チャーリーの知らなかった兄レイモンドにわたることを知ります。

じつはレイモンドは、施設しせつで生活せいかつしている自閉症の人ひとでした。はじめチャーリーは、お金目当めあてで兄をつれ出します。

けれども、二人で西にしへ向かう長ながい車の旅の中で、チャーリーは少しずつ、兄の本当ほんとうの姿すがたと、家族かぞくの思おもい出に気きづいていきます。

2大きなテーマ:「役に立つこと」だけが人の価値?

この映画のはじめ、チャーリーは兄を「自分じぶんの得とくになるかどうか」でしか見みていませんでした。でも旅の中なかで、そうではない大切たいせつなものに気づいていきます。

➡ 「その人が何なにをしてくれるか」ではなく、「その人がそこにいること」そのものが大切――そんな問といを、この映画は投なげかけます。

💜 考えるヒント

人の価値かちは、テストの点数てんすうや、できること・できないことだけで決きまるのでしょうか。レイモンドとチャーリーの関係かんけいを見ながら、いっしょに考えてみましょう。

3レイモンドの「得意」と「苦手」

レイモンドには自閉症という特性とくせいがあります。自閉症の人は、得意とくいなことと苦手にがてなことが、人によって大おおきくちがいます。

✨ とても得意なこと
  • 数かずを一瞬いっしゅんで数かぞえる
  • 見みたこと・読よんだことをよく覚おぼえている
  • いつもの手順てじゅんを正確せいかくに守まもる
💧 苦手なこと・こまること
  • 予定よていが急きゅうに変かわると不安ふあんになる
  • 気持ちを言葉ことばで伝つたえるのがむずかしい
  • 大きな音や人ひとごみがとても苦手
💡 大事なこと

これは「レイモンドという一人の人」のようすです。自閉症の人がみんな同おなじというわけではありません。一人ひとり、ちがう――ここがいちばん大切なポイントです(くわしくは後あとのセクション10で)。

4公開された1988年ってどんな年?

『レインマン』が公開こうかいされた1988年(昭和しょうわ63年)は、今から約やく40年ほど前。日本では昭和しょうわの終おわりのころで、みんなのお父とうさん・お母かあさんが子どもだった時代じだいかもしれません。

🎬 日本のできごと

  • スタジオジブリの名作が公開!『となりのトトロ』と『火垂ほたるの墓はか』が、この年に公開されました。今も愛あいされる作品さくひんです。
  • テレビゲームが大人気「ファミコン」でたくさんの子どもたちが遊あそんでいました。マンガ・アニメの『ドラゴンボール』も、このころとても人気でした。
  • 「バブル」とよばれる好景気日本は景気けいきがとてもよく、街まちがにぎやかだった時代です。「バブル経済けいざい」とよばれます。

🌍 世界のできごと

  • 韓国(かんこく)のソウルで夏なつのオリンピックが開ひらかれました。
  • アメリカでは、映画館で一気いっきに大ヒットする「大作映画」がさかんに作られていました。『レインマン』は、その年のアメリカでいちばんお客きゃくさんを集あつめた映画になりました。

💡 楽しい大ヒット映画が多い中で、『レインマン』は「人ひとと人のつながり」をていねいにえがき、多くの人の心こころに残のこりました。

5映画監督ってどんな人?
バリー・レヴィンソン監督/1942年生まれ

アメリカ・ボルチモアの出身。デビュー作『ダイナー』をはじめ、人と人との会話や気持ちをていねいにえがくのが得意とくいな監督です。

じつは『レインマン』は、監督が何度なんどか代わった後に、レヴィンソンが完成させた映画でした(くわしくはセクション9の裏話で)。むずかしい題材だいざいを、あたたかい物語ものがたりにまとめ上げました。

6主な俳優
ダスティン・ホフマンレイモンド(兄)役

レイモンドをえんじたベテラン俳優。役づくりのために、実際に自閉症のある人たちと会って、話はなし方かたやしぐさをていねいに研究けんきゅうしました。その演技えんぎが高く評価ひょうかされ、アカデミー主演しゅえん男優賞しょうを受賞しました。

🏆 アカデミー主演男優賞
トム・クルーズチャーリー(弟)役

弟チャーリーをえんじました。撮影当時はまだ25歳さいごろの若手わかて。はじめは自分勝手だったチャーリーが、旅を通して少しずつ変わっていくようすを見事にえんじています。その後、世界的な大スターになりました。

7モデルになった人がいる?

この映画の脚本きゃくほんを書いたバリー・モローは、キム・ピークさんという実在の人物と1984年に出会い、大きな刺激しげきを受けました。

💜 キム・ピークさんのこと

キムさんは、たくさんの本の内容ないようをおどろくほど正確に覚えている、すばらしい記憶きおくの持もち主ぬしでした。生うまれつき脳のうの一部いちぶが多おおくの人とちがっていた人です。

ちゅうい:キムさんは若わかいころ「自閉症」と言われたこともありましたが、のちの研究けんきゅうでは自閉症ではなかったと考えられています。つまり映画のレイモンド=キムさん、ではありません。レイモンドは、いろいろな人を参考さんこうにして作られた「映画の中の人物」です。

脚本家のモローさんは、後に受賞したアカデミー賞のトロフィー(オスカー像ぞう)を、キムさんに贈おくりました。二人の友情ゆうじょうが伝つたわる、すてきな話です。

8心に残るセリフ

レイモンドが、自信じしんをもってくり返す有名ゆうめいなひとことがあります。

"I'm an excellent driver."
── 映画『レインマン』(1988年)より

短みじかいセリフですが、レイモンドという人物の魅力みりょくが詰つまった、この映画を代表だいひょうするひとことです。

9映画の裏話
  • ① つまようじの名シーンゆかにこぼれたつまようじの数を、レイモンドが一瞬で言い当てる場面があります。じっさいに246本をこぼして撮影さつえいしました(箱はこには250本入っていて、4本は箱に残っていた、という演出えんしゅつです)。
  • ② 監督が何度も代わったこの映画は、完成するまでに監督が何度なんどか代わり、最後さいごにバリー・レヴィンソンが引きつぎました。長い時間をかけて、ようやく完成した作品なのです。
  • ③ 監督が“こっそり”出演物語の終おわりのほうに、レヴィンソン監督じしんがお医者いしゃさんの役でちょっとだけ出演しています。名前なまえは出でてこない、かくれた出演です。探さがしてみましょう。
  • ④ アメリカ各地で撮影物語は東から西へ進む旅。撮影も、オハイオ・ケンタッキー・オクラホマ・ネバダ(ラスベガス)など、アメリカの各地かくちで行われました。まさに「ロードムービー(旅の映画)」です。
10映画から「知る」大切さ

『レインマン』は世界中で見られ、「自閉症」という言葉が多くの人に知られるきっかけになりました。これはとても大切なことです。

🔎 でも、気をつけたいこと

映画のレイモンドは、自閉症の人の「一つの例」にすぎません。「自閉症の人はみんな数字が得意」「みんなレイモンドのよう」と考えるのは正ただしくありません。

➡ 映画は世界せかいを知しる「入り口」。そこから「本当はどうなんだろう?」と自分じぶんで調しらべていくことが大切です。これをメディアリテラシーといいます。

11すごいところ(アカデミー賞)

1989年のアカデミー賞で、この映画は全ぜん8部門にノミネートされ、4つの賞を受賞しました。

  • 🏆 作品賞その年の「いちばんの映画」に選えらばれました。
  • 🏆 監督賞バリー・レヴィンソンが受賞しました。
  • 🏆 主演男優賞レイモンド役のダスティン・ホフマンが受賞しました。
  • 🏆 脚本賞お話づくりのすばらしさがみとめられました。
💡 もうひとつの受賞

ドイツで開かれる映画祭えいがさい(ベルリン国際映画祭)でも、いちばんの賞「金熊賞きんくましょう」を受賞しました。世界中で高く評価された作品です。

12考えてみよう!(授業ワーク)
Q1.チャーリーは旅の中で、どんなふうに変わっていったと思いますか?
Q2.「人の価値かち」は、できること・できないことだけで決まるでしょうか。あなたはどう考えますか?
Q3.クラスや身みのまわりに、レイモンドのように「得意・苦手」が人とちがう友ともだちがいたら、どんなふうにせっしたいですか?

🌱 今日のまとめ

『レインマン』は、ただの兄弟の物語ではありません。

「そこにいること」が、もう大切
  • 「役に立つか」で人を測はからなくていい
  • 得意・苦手は、一人ひとりちがっていい
  • 相手を知しろうとすると、関係は変わっていく
  • 映画は世界を知る「入り口」。そこから自分で調べていこう

だから今でも、公開から約やく40年たった今いまも、多くの人に語りつがれている名作です。

🚗 小学生向け豆知識

「ロードムービー」とは、登場人物とうじょうじんぶつが旅たびをしながら、少すこしずつ成長せいちょうしたり変かわったりしていく映画のことです。『レインマン』は、その代表作の一つ。景色けしきが変わっていくのと同じように、二人の心こころも変わっていきます。

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授業で使えるPDF資料(2種類)
先生向け授業ガイド(授業設計・発問・全8ページ)と、児童向け学習資料(ふりがな付き・全4ページ)。

📚 参考資料(主な出典)

著作権について:本記事の解説文はすべてオリジナルで作成しています。映画のセリフの引用は著作権法上の「引用」の範囲内で行い、出典を明記しています。ポスター画像・俳優写真・映画の場面写真は使用していません。作品の著作権は各権利者に帰属します。

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