土曜日の居残りに集められた、タイプの違う5人の高校生。最初はおたがいを「あいつはこういうやつ」と決めつけています。でも、1日をともに過ごすうちに——。この記事では、この映画から「相手を決めつけない」関わり方を学びます。
特集「アサーティブコミュニケーション」第4回の教材です。
これまで「伝える」「聴く」「会話のキャッチボール」を学んできました。でも、会話をする前に相手を「こういうやつ」と決めつけていたら、本当のキャッチボールは始まりません。
➡ アサーティブの「相手も大切にする」は、まず「決めつけずに、相手を知ろうとする」ところから始まります。
「あの人は〇〇なタイプ」と、一言で分類してしまうこと。これをレッテル貼り(ステレオタイプ)といいます。便利なようで、じつは危険です。
① もう分かった気になって、質問しなくなる
② 相手の「例外」や「変化」が見えなくなる
③ 相手も「どうせ決めつけられている」と感じ、心を閉じる
この映画の5人も、最初はこの状態から始まります。
ある土曜日、5人の高校生が、罰として学校の図書室に集められます(休日の居残り=反省のための時間)。先生から出された課題は、「自分とは何者か」という作文を書くこと。
5人は、優等生・スポーツ選手・不良・お嬢さま・変わり者。最初はぶつかり合い、たがいを決めつけていました。
でも、長い1日をともに過ごし、話すうちに、それぞれが家庭や学校でかかえる本当の悩みが見えてきます。「型」の下にある、一人ひとりの素顔に気づいていく物語です。
最初、5人はこんな「型」で見られていました。まずは、このレッテルを覚えておくと、変化がよく分かります。
➡ ポイントは、この5つのレッテルが、物語の中でどう崩れていくかです。
🏫 舞台はどこ?
アメリカのある高校。ほぼ図書室の中だけで、1日の物語が進みます。せまい空間だからこそ、会話と関係の変化に集中できます。
📅 いつの時代?
1985年に作られた映画で、1980年代のアメリカの高校がえがかれます。日本では1986年に公開されました(2025年に4Kで再上映)。服装や音楽は当時のものですが、「人を型で見てしまう」という悩みは、今も変わりません。
クラスの中の目に見えない序列やグループ分けを「スクールカースト」と呼ぶことがあります。この映画は、その「壁」をこえて人がつながれるかを問いかけます。
1980年代のアメリカで、10代の気持ちをていねいにえがいた青春映画で知られる監督・脚本家です。
『ブレックファスト・クラブ』は、「大人には分かってもらえない」10代の本音を正面からえがき、今も多くのティーン・ムービーの原点とされています。
この5人は当時の若手俳優で、本作をきっかけに「ブラット・パック」と呼ばれる世代の顔として注目されました。
物語の中で、レッテルが崩れていくきっかけを探してみましょう。だいたい、こんなときに起きます。
- ① おたがいに「本音」を話したとき「じつは家で……」と、型の下にある悩みを打ち明けると、相手の見え方が変わる。
- ② 「なぜそう思うの?」と質問したとき決めつけずに理由を尋ねると、その人の背景が見えてくる。
- ③ 共通点に気づいたとき「型」は違っても、同じ不安や期待を持っていた、と分かる。
「どうせこういうやつ」と決めつけるのをやめ、「あなたはどう思う?」「なぜ?」と問いかける。これは、第3回で学んだキャッチボールの、最高レベルの一手です。
➡ 決めつけないことは、相手だけでなく自分の世界も広げます。
🌱 今日のまとめ
人は、一言の「型」ではとらえきれません。
- 「型」ではなく、目の前の「その人」を見る。
- 決めつける前に「なぜ?」と質問する。
- 第一印象は「仮」。あとで更新していい。
- 自分も型で見られていることに気づく。
- 問いかけは、決めつけの反対の一手。
これが、『ブレックファスト・クラブ』からもらえる、いちばん大切なプレゼントです。