肌の色で人が分けられていた時代。黒人と白人の生徒が、初めて同じアメフトチームになりました。おたがいに反発し合う選手たちが、どうやって「対立する相手」と話し、一つのチームになっていくのか。実話をもとにした、この映画から学びます。
特集「アサーティブコミュニケーション」第5回の教材です。
これまで「伝える」「聴く」「キャッチボール」「決めつけない」を学びました。でも、相手ときつく対立しているとき、それでも話し合えるでしょうか?
➡ アサーティブがいちばん試されるのは、「意見や立場がぶつかる相手」と向き合うときです。
対立(もめごと)は、こわいものに感じます。だから、つい「逃げる」か「戦う」かの2つになりがちです。でも、アサーティブには3つ目の道があります。
① 相手を人としてでなく「敵」としてしか見ない
② 勝ち負けだけを考える(相手を言い負かす)
③ 本音を避けて、陰で不満を言う
映画のチームも、最初はこの状態でした。
1971年、アメリカのある高校で、黒人と白人の学校が一つに統合されました。アメフト部「タイタンズ」も、はじめて肌の色をこえた混成チームになります。
新しく監督(ヘッドコーチ)になったのは、黒人のブーン・コーチ。選手たちは、はじめおたがいを強く反発し合い、練習も口論ばかり。
しかし、合宿で寝食を共にし、たがいの本音を知るうちに、少しずつ信頼が生まれます。やがてチームは肌の色をこえて一つになり、快進撃を続けていきます。実際にあった出来事をもとにした物語です。
🏟 実話の舞台
1971年、アメリカ・バージニア州アレクサンドリアのT.C.ウィリアムズ高校。実際に人種統合されたアメフトチームが、州の優勝をなしとげた出来事がもとになっています。
📅 どんな時代?
当時のアメリカは、肌の色で人を差別する制度が、まだ社会に強く残っていた時代です。学校や施設を「黒人用」「白人用」と分けることも行われていました。この映画は、その大きな対立をこえていく物語です。
映画には、当時の差別的な言葉や場面も出てきます。それは「してよいこと」ではなく、乗りこえるべき問題としてえがかれています。歴史の事実として受けとめ、考えてみましょう。
この映画の監督。実話をもとに、スポーツと人間ドラマを力強くえがきました。製作は、大作で知られるジェリー・ブラッカイマー、配給はディズニーです。
アメリカを代表する名優。チームをまとめる、きびしくも信念のあるヘッドコーチを演じます。
もう一人の(白人の)コーチ、ビル・ヨーストを演じます。ブーンとの対立から尊重へと変わっていく関係も見どころです。
反発し合っていた選手たちが、どうやって歩み寄っていくのか。ポイントは3つです。
- ① 相手を「人」として知る合宿で寝食を共にし、おたがいの家族や夢を知ると、「敵」が「仲間」に見えてくる。
- ② 共通の「ゴール」を見つける「勝ちたい」という同じ目標が、立場の違いをこえてチームを一つにする。
- ③ 本音でぶつかり、認め合う避けずに正面から意見を言い合い、そのうえで相手の力を認める。
戦うのは相手を倒すため。話し合うのはいっしょに前へ進むため。同じ「ぶつかる」でも、目的がまったく違います。
➡ 対立をこえた先には、ただの「仲直り」より強い信頼が生まれます。
🌱 今日のまとめ
対立は、なくすものではなく、こえていくものかもしれません。
- 相手を「敵」でなく「人」として見る。
- 対立点より先に、共通のゴールをさがす。
- 本音は言う。でも人格は攻撃しない。
- 意見が違っても、相手のよさを認める。
- こえた対立の先に、強い信頼が生まれる。
これが、『タイタンズを忘れない』からもらえる、いちばん大切なプレゼントです。
タイトルの「タイタンズ」は、チームの名前です。実在したこのチームの物語は、今もアメリカで「対立をこえた象徴」として語りつがれています。