世界中で大ヒットした「サメ映画」です。海水浴場にあらわれた巨大なホオジロザメと、人々を守ろうとする3人の戦いをえがいています。この記事では、あらすじから映画の歴史、監督や俳優の裏話までをやさしく紹介します。
公開:1975年 国:アメリカ ジャンル:サスペンス・パニック映画 監督:スティーヴン・スピルバーグ
小さな島「アミティ島」。夏になり、たくさんの観光客が海へ遊びに来ます。しかしとつぜん、人がサメにおそわれる事件が発生。
警察署長のブロディは海を閉鎖しようとしますが、「観光客が減ってしまう」という理由で町長は反対します。
その後さらに事件が起こり、ブロディは海洋学者フーパー、漁師クイントといっしょに巨大ザメ退治へ向かいます。
1975年までは、映画は少しずつ公開されることが多かったのですが、『ジョーズ』は全米で一気にたくさんの映画館で公開されました。さらにテレビCMも大量に流しました。
これが今の「夏休み映画」「大作映画」という売り方の始まりになりました。
➡ 今のハリウッド映画の公開の仕方を作った作品、と言われています。
1970年代のアメリカでは、ベトナム戦争・オイルショック・景気の悪化などで、社会全体が少し元気を失っていました。
そんな中、「家族みんなで楽しめる大きな映画」として『ジョーズ』が登場します。映画館には長い行列ができました。
『ジョーズ』が公開された1975年(昭和50年)は、今から約50年前。日本は「昭和」の時代で、みんなのおじいちゃん・おばあちゃんが子どもや若者だったころです。
🚄 日本のできごと
- 新幹線が博多までつながった!山陽新幹線の岡山〜博多が開通し、東京から博多まで新幹線一本で行けるようになりました。
- 戦隊ヒーローが初めて登場!『秘密戦隊ゴレンジャー』の放送がはじまりました。今も続く「スーパー戦隊シリーズ」の第1作目です。
- 女性で世界初、エベレスト登頂!登山家の田部井淳子さんが、女性として世界ではじめて世界一高い山エベレスト(8,848m)に登りました。
- 「海」がテーマの大きな博覧会沖縄で「沖縄国際海洋博覧会」が開かれました。「海」をテーマにした世界で初めての国際博覧会です。
- 知っているお菓子や文房具もこの年に!「きのこの山」「ペヤングソースやきそば」、缶コーヒー「ジョージア」、コクヨのノート「Campus」が発売されました。今もお店で見かけるものが、じつはジョーズと同い年なんです。
🌍 世界のできごと
- 長く続いたベトナム戦争が終わりました。
- イギリスで、のちに「鉄の女」とよばれるサッチャーさんが、保守党で初めての女性リーダーに選ばれました。
- 今も世界中で使われているパソコンの会社「マイクロソフト」が生まれたのも、この年です。
💡 1975年は、新しいものが次々と生まれた「変わり目の年」。『ジョーズ』が新しい売り方を生んだのも、そんな空気の中でのできごとでした。
面白いことに、映画にはサメがあまり映りません。その理由は……
🤖 サメロボットがこわれまくった!
撮影では本物ではなく、巨大なロボットのサメを使いました。名前はブルース(Bruce)。でも海水で故障ばかり……。
そこで監督は「サメを見せない」演出に変えました。すると、これが逆に「見えないから怖い」という大成功につながったのです。
映画では、音楽・波・水中の映像だけで恐怖を表現しています。
作曲はジョン・ウィリアムズ。とても有名なメロディです。
サメが近づいていることを、音楽だけで表現しました。この曲は映画音楽の歴史に残る名曲です。
子どものころから8ミリカメラで映画を撮っていて、学校では「映画好き」で有名でした。『ジョーズ』は、まだ27歳のとき(1974年)に撮影し、28歳のとき(1975年)に公開しました。
その後、『E.T.』『ジュラシック・パーク』『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』など、世界的な名作を次々に作りました。
子どものころ、いじめられた経験があり、「映画づくり」が自分の楽しみだったそうです。その経験が、人の気持ちを考える映画づくりにつながっています。
警察署長ブロディの役。えんじたブロディは「水がこわい」という設定で、島の生活になじめない“ふつうの人”として描かれます。代表作は『フレンチ・コネクション』『ジョーズ』。
若い海洋学者フーパーの役。この役でドレイファスは一気に有名になりました。その後『未知との遭遇』『グッバイガール』などにも出演。
ベテラン漁師の役。俳優だけでなく、小説家でもありました。映画の中の「インディアナポリス号」の話は、今でも映画史に残る名シーンです。
- ① サメは「ブルース」スタッフが監督の弁護士の名前から付けたニックネームです。
- ② 本物の海で撮影当時はほとんどの映画がスタジオ撮影でしたが、『ジョーズ』は本物の海で撮影。そのため撮影が予定より何か月も長くなりました。
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③ 有名なセリフ
このセリフはシャイダーのアドリブ(その場で考えたセリフ)だったといわれ、アメリカ映画協会(AFI)の「名セリフ100」で35位に選ばれています。"You're gonna need a bigger boat."(もっと大きな船が必要だ。)── 映画『ジョーズ』(1975年)より
- ④ 音楽がなかったら?実験すると、同じ映像でも音楽があるだけで、怖さが大きく変わることが分かりました。
- サメ映画がたくさん作られるようになった
- 夏に公開する大作映画が増えた
- 「見せない怖さ」という演出が有名になった
- 映画音楽の大切さが広く知られるようになった
🦈 今日のまとめ
『ジョーズ』は、ただのサメ映画ではありません。
- 映画の公開の仕方を大きく変えた作品
- 若きスピルバーグ監督を世界的な監督へ押し上げた作品
- 「見せない怖さ」を生み出した作品
- 映画音楽の力を世界に示した作品
だから今でも、公開から約50年たった今も「映画史に残る名作」として語りつがれています。
映画を見て「怖い!」と感じるのは、サメだけが理由ではありません。カメラの動き、音楽、俳優の表情、編集など、たくさんの工夫が組み合わさっているからです。『ジョーズ』は、その「映画ならではの工夫」を学ぶのにぴったりの作品です。
📚 参考資料(主な出典)
- Encyclopædia Britannica「Jaws」「Steven Spielberg」(britannica.com)
- HuffPost / FilmInk(ロイ・シャイダー インタビュー)
- Woods Hole Oceanographic Institution 公式サイト(whoi.edu)
- 引用:映画『ジョーズ』(1975年、監督スティーヴン・スピルバーグ)