首に「このクマの面倒を見てください」という札をさげ、南米ペルーから遠いロンドンにやってきた一ぴきのクマ。駅で出会ったブラウン一家は、はじめはとまどいながらも、彼を家に迎え入れます。この記事では、「よそ者」を受け入れる社会について考えます。
この特集では、見た目、障害、偏見、人種、性別の「らしさ」など、さまざまな「ちがい」を見てきました。
➡ 最終回は、知らない土地からやってきた「よそ者」を、社会はどう迎えるかを、心あたたまる物語から考えます。
ペルーのジャングルで、おじさん・おばさんと暮らしていた子グマ。地震で家を失い、ずっと憧れていたロンドンへひとりでやってきます。
パディントン駅で出会ったブラウン一家は、駅の名前から彼を「パディントン」と名づけ、しばらく家に泊めることにします。
なれない都会の暮らしで次々と騒ぎを起こすパディントン。そんな彼を、珍しい動物をはく製にしようとする博物館の学芸員がねらっていて……。
作者マイケル・ボンドは、パディントンのアイデアの一部が、第二次世界大戦中にロンドンに避難してきた子どもたちから生まれたと語っています。
子どもたちは、名前と住所を書いたラベルを首からさげ、大切な持ち物を小さなスーツケースに入れていたといいます。パディントンの首の札と古いスーツケースは、その姿と重なります。
- 🏠 家を失ってやってきたパディントンは、地震で家を失い、遠い国へやってきました。
- 🤔 迎える側の不安ブラウン家のお父さんは、はじめ「知らないクマ」を家に入れることに反対します。
- 👴 グルーバーさんの話骨董品店のグルーバーさんも、かつて苦労してロンドンにやってきた移民でした。
- ① 迷惑? それとも新しい風?パディントンの騒動は、ばらばらだった家族の関係を少しずつ変えていきます。
- ② 礼儀と思いやりパディントンは、いつも礼儀正しく、人の良いところを見つけようとします。
- ③ 「居場所」をつくる受け入れられることで、パディントンにも居場所ができていきます。
よそから来た人を受け入れると、迎える側も変わる。共生とは、片方だけががまんすることではなく、おたがいに変わっていくことなのかもしれません。
続編『パディントン2』も手がけ、ユーモアと温かさにあふれた作品に仕上げました。
1958年に『くまのパディントン』を発表。BBCでカメラマンとして働いていたころにパディントンを思いつき、自宅近くの駅の名前をつけたといわれます。2017年に91歳で亡くなりました。
礼儀正しく、ちょっとドジなクマの声を演じました。
心配性のお父さんと、心の広いお母さん。
パディントンをねらう博物館の学芸員。
🌱 今日のまとめ
よそ者を受け入れると、迎える側も変わっていきます。
- パディントンは、家を失い、遠いロンドンへやってきた。
- 作者は、戦時中に避難してきた子どもたちからも着想を得た。
- ブラウン一家は、パディントンを迎えることで変わっていった。
- 共生とは、おたがいに変わっていくことかもしれない。
パディントンの大好物はマーマレード。帽子の中にも、いつもマーマレードのサンドイッチを入れています。